M+ FONTSもしくは派生フォントの「複製・再配布・改変」制限が無いフォントを少し改変したい!って時が稀によくあるので、fontforgeを使った改変作業方法を書きます。今回はk8x12を使用させて頂きました。
環境
Windows環境でfontforge-cygwinを使って作業します。なお、現時点での最新版2015_01_21を使うと一部の表示が上手く行かなかったため古いバージョンで実施しています。
fontforgeの起動
フォント編集ウィンドウを見やすくする
フォント一覧から改変したいフォントをダブルクリックするとフォント編集ウィンドウが起動します。ですが、デフォルトだとアウトライン表示のみなので編集方法が分かりにくいかと思います。そこで以下の設定を変更します。
- ウィンドウメニューから【表示】 > 【表示】 > 【塗りつぶし】で、アウトラインのみ状態から少し見やすい状態に変わります
- ウィンドウメニューから【表示】 > 【グリッド合わせ】 > 【グリッド合わせを表示】> 【fontサイズに応じた数値入力】で、編集し易い状態に変わります
これで結構見やすく&改変しやすくなりました。
フォントレイアウトのルール
大まかなルールが2つあります。これさえ覚えておけば多少の改変ならば困らず行えるでしょう。
- 点
フォントは点の集まりによって形成されています。点をよく見ると0からの連番が振られており、0から1へ線が伸び、1から2へ線が伸び...と最後の番号まで繰り返されています。 - フォント幅
x座標0の位置に縦線が入っています。これがフォント開始位置です。
開始位置から右へ移動した所に太字の縦線があります。これが終了位置です。マウスカーソルを持っていけば終了位置を自由に変更出来ます。
フォントレイアウトの改変方法
では改変してみましょう。今回はずっと例として挙げてきた「Q」を改変します。初期状態だとシータみたいな記号なので、右下に出っ張りを取り付けてみようかと思います
- ツールメニューから「頂点を追加」を選択*1。もしツールメニューが居ない場合は altキー押下で表示されます
- 出っ張りを出したい辺に対し、4箇所ほど点を追加。グリッド表示を参考にキリの良い始点に1つ置き、あと適当に2点置き、終点に1つ置きます。この時に点が縦の連番になるよう注意してください
- ツールメニューから「ポインタ」に戻し*2、適当に配置した2点を隣のグリッドの四隅に配置
- フォントの最大幅まで辺が伸びてしまったので、余白を開けるために1グリッド分だけ右へズラします
- フォント一覧ウィンドウ上で問題ないかを確認した上で、フォント編集ウィンドウを閉じる
これで文字フォントに対する改変は終了です。最後のフォント幅変更に関してですが、フォント幅が統一されている場合は1部の文字幅を変更する事で不格好に見える恐れがあります。その事を考慮した上で実施ください。
フォントファイルを出力
今回はttfファイルとして出力させます。
- フォント一覧ウィンドウのメニューから【ファイル】>【フォントを出力】を選択
- 「PS Type 1」になっている箇所を「TrueType」に変更し、「生成」ボタンを押下
これで改修作業は終了です。
その他のテクニック
- 点と点で結ばれた辺は、それぞれの点を選択して削除すると消えます
- 対象文字フォントに対し、最初から作成したい場合はツールメニューから「長方形」といった図形を選択して配置し、それをベースに点を増やしていくと楽できます